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「この“期間限定”って、出しても大丈夫ですか?」
「“残りわずか”と書いたほうが申し込みは増えそうですが、あとでクレームになりませんか?」
最近、LPや申込ページの制作・改善を進める中で、こうした確認を受けることが増えてきました。
もちろん、成果を出すための文言は大切です。
「今だけ」「期間限定」「残りわずか」「あと3名」といった表現は、ユーザーの行動を後押しします。実際に、数字が動くこともあります。
だからこそ、私たちもこれまで多くの案件で使ってきました。
ただ、ある時期から、その一行を書くたびに少し手が止まるようになりました。
効くのは分かっている。
でも、どこからが「成果を出すための表現」で、どこからが「やりすぎ」なのか。
その線引きを、感覚だけで決め続けるのは危ういのではないか。そう考えるようになったのです。
この記事では、クライアントのLPや申込・解約まわりを作っている制作会社のディレクター、Web担当者に向けて、ダークパターンにならないための公開前チェックと、クライアントへの伝え方を整理します。
LPや申込ページでは、成果を出すことが強く求められます。
「申し込みを増やしたい」
「離脱を減らしたい」
「キャンペーンの反応を上げたい」
こうした要望に応えるために、私たちは文言や導線、ボタンの見せ方を調整します。
問題は、その中に「効くけれど、受け手から見ると不信につながる表現」が紛れ込みやすいことです。
現場では、前の案件で成果が出た表現を、次の案件でも使うことがあります。
たとえば、次のような見せ方です。
どれも、成果を上げるための工夫として使われてきたものです。
ただし、効果があることと、使ってよいことは同じではありません。
実際の期限や在庫に基づいた「期間限定」なら、ユーザーに必要な情報を伝える表現です。
一方で、期限がないのにずっと「今だけ」と表示したり、在庫数と関係なく「残りわずか」と見せたりすれば、受け手を誤解させる可能性があります。
この境目を、これまでは現場の感覚で判断していました。
しかし、クライアントから「これ、大丈夫ですか?」と聞かれたときに、はっきり説明できない状態では、制作側としても不安が残ります。
その線引きを考える手がかりになったのが、消費者庁によるWebページ上の「ダークパターン」に関する調査でした。
調査では、消費者が気づかないうちに契約や選択へ誘導されるようなWeb上の表示が、国際的な分類に沿って整理されています。
その中で、過去1年に何らかのダークパターンを経験した人は37.5パーセント。
さらに、経験した表示の中で多かったのが、「残りわずか」「期間限定」といった緊急性を強調する表示でした。
これは、LPや申込ページで私たちが日常的に使ってきた表現でもあります。
調査では、架空の動画配信サブスクを使い、契約と解約の場面も検証されています。
「無料キャンペーン中」と大きく見せる一方で、月額とは別にかかるアカウント管理費300円を目立たない場所に小さく置く。いわゆる「隠れた費用」を模した画面です。
この調査を見て、作る側からすれば普通の演出でも、受け取る人には「急かされた」「気づかないうちに費用が足されていた」と映る可能性があることを、あらためて実感しました。
では、成果を出すための文言をすべてやめるべきなのでしょうか。
私たちは、そうは考えていません。
大切なのは、成果につながる表現を使いながらも、事実とズレていないか、受け手の判断を不当に狭めていないかを、公開前に確認することです。
そのために、私たちはチェックの観点を整理しました。
まずは、公開予定のLPや申込ページ、解約導線の中に、どのような表現や見せ方があるかを洗い出します。
特に確認したいのは、次の5つです。
1つ目は、急かす表現です。
「期間限定」「今だけ」「残りわずか」「あと3名」といった文言が、実際の期限や在庫、受付枠と一致しているかを見ます。
事実に基づいていれば、ユーザーに判断材料を伝える表現です。
しかし、実態とズレている場合は、行きすぎた誘導と受け取られる可能性があります。
2つ目は、費用の見せ方です。
月額とは別の費用、初回と2回目以降の差、送料や手数料などが、申し込み前に分かる場所に表示されているかを確認します。
「無料」や「初回割引」を大きく見せる一方で、継続費用や追加費用が小さく目立たない場所にあると、受け手には不親切な表示に見えます。
3つ目は、解約や退会の導線です。
申し込みは簡単なのに、解約や退会の入り口が見つかりにくい。
何度もページを移動させる。
電話でしか解約できない。
こうした作りは、ユーザーにとって大きなストレスになります。
4つ目は、引き止めや確認のしつこさです。
閉じても何度も出てくるポップアップや、「本当に受け取らないのですか?」と繰り返す確認は、行動を後押しするというより、断りにくくする設計になっていないかを見直します。
5つ目は、選択肢の見せ方です。
「はい」は大きく色つきで目立つ。
「いいえ」は小さく、薄く、押しにくい。
このように、片方だけを選びやすくする見せ方になっていないかを確認します。
Webサイトの公開前チェックでは、こうした観点をデザインや動作確認と同じように扱うことが大切です。MONJI+のように、画面上の気になる箇所へコメントを残せる環境があると、指摘が口頭で流れにくくなります。
次に、気になった箇所をその場限りにせず、記録として残します。
「ここ、少し煽りすぎでは」
「この費用は、もう少し上に出したほうがいいのでは」
「解約リンクが見つけにくいかもしれない」
こうした指摘は、口頭やチャットだけで済ませると、あとから追いにくくなります。
そこで、該当する画面の該当箇所にコメントを残し、修正担当者と期日を決めておきます。
見る観点は、次のように整理できます。
この5つを、公開前のチェックリストとしてチームで共有しておくだけでも、「なんとなく前の案件から引き継いだ表現」がそのまま公開されるリスクを減らせます。
大切なのは、誰かひとりの感覚に任せないことです。
制作担当、ディレクター、クライアントが同じ画面を見ながら、同じ観点で確認できるようにしておく。
そのためには、ログインなしで共有できる確認リンクや、コメント履歴が残る仕組みがあると運用しやすくなります。
MONJI+では、Webサイトの修正依頼、公開前のチェックリスト、確認履歴を一か所にまとめられます。成果に関わる文言ほど、公開前に「誰が何を確認したか」を残しておくことが重要です。
公開前チェックで「この表現はやめたほうがよい」と分かったとしても、そこで終わりではありません。
クライアントは、成果を求めています。
そのため、「これはダークパターンっぽいのでやめましょう」とだけ伝えても、相手は判断しにくいものです。
私たちは、伝え方を次のように変えました。
「これはダメです」ではなく、
「短期の数字は上がるかもしれませんが、あとでこう効いてくる可能性があります」と説明します。
たとえば、次のような伝え方です。
そのうえで、代替案を必ず一緒に出します。
在庫を偽らずに「多く選ばれています」と伝える。
総額を最初に見せたうえで、価格に見合う価値を丁寧に説明する。
解約を分かりやすくして、「いつでもやめられる安心」を訴求に変える。
やめる提案だけでは、クライアントは動きにくいものです。
成果を落とさないために、別の正攻法でどう補うかまでセットで出す。
そこまで示して、ようやく「では、その表現でいきましょう」と合意しやすくなります。
公開前のチェックにダークパターンの観点を加えてから、私たちの中で変わったことがあります。
まず、「なんとなくの踏襲」で危ない文言が通り抜けることが減りました。
前の案件で使っていたから。
テンプレートに入っていたから。
A/Bテストで数字が良かったから。
そうした理由だけで表現を使うのではなく、「今回の案件でも事実に合っているか」「受け手に誤解を与えないか」を確認するようになりました。
また、クライアントに対しても、以前より説明しやすくなりました。
「この文言は強すぎる気がします」という感覚的な指摘ではなく、
「在庫数と連動していないので、“残りわずか”は避けたほうがよいです」
「追加費用が下部に小さく出ているため、申し込み前に分かる位置へ移しましょう」
と、具体的に伝えられるようになったからです。
担当者が代わったときにも、どこまで確認して公開したかが残っていると、引き継ぎがしやすくなります。
成果を出す文言を考えることと、受け手に誠実な表示にすること。
この2つを、別々ではなく同じ公開前チェックの中で扱えるようになったことが、大きな変化でした。
このチェックは、判断そのものを自動化するものではありません。
「これは煽りすぎか」
「ここまでは許容範囲か」
「この表現は、今回の商材ではどう見えるか」
最後に判断するのは、やはり人です。
同じ「残りわずか」でも、実際の在庫や受付枠に基づいていれば、ユーザーに必要な情報を伝える表現になります。
しかし、実態がないのに表示していれば、行きすぎた誘導になりかねません。
また、短期的なCVRだけを見ると、強い表現のほうが勝つこともあります。
だからこそ、A/Bテストの結果だけで判断しないことが大切です。
数字が良かったとしても、その表現が長期的にブランドや信頼にどう影響するかは、別の観点で見る必要があります。
もうひとつ注意したいのは、悪意がなくてもダークパターンに近い表現は生まれるということです。
前の案件のLPをコピーする。
テンプレートに入っていた文言をそのまま使う。
過去に成果が出たパターンを、中身を見ずに引き継ぐ。
こうした小さな積み重ねで、解約しにくいページや、料金の一部だけが目立たないページができあがってしまうことがあります。
そのため、公開前に一度、別の目で見る手順を持つことが重要です。
速く、たくさん作れることは、Web制作や運用の現場ではすでに当たり前になっています。
だからこそ、これから大切になるのは、公開前のひと目と、その記録です。
「この文言は、受け手にどう映るか」
「費用や条件は、申し込み前に十分見えているか」
「解約や退会の導線は、分かりにくくなっていないか」
「誰が、どの観点で確認したか」
こうした情報をチームで同じ場所に残せると、成果を追う文言も、より安心して扱えるようになります。
MONJI+は、Webサイトの修正依頼、公開前のチェックリスト、確認の履歴、運用ルールを一か所にまとめるためのWeb運用プラットフォームです。
成果につながる文言ほど、出す前の確認と、その記録が、あとで自分たちを守ってくれます。
▼MONJI+について
https://monji.tech/ja/plus/
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MONJI+は、現場の声をもとに、これからもWebサイト運用を支える機能づくりを続けていきます。
実際の運用で感じている課題や、「こういう確認ができると助かる」という声があれば、ぜひ共創ページからお聞かせください。
LPや申込ページでは、「期間限定」「残りわずか」「今だけ」といった表現が成果につながることがあります。
しかし、効く文言ほど、使い方を誤ると受け手の不信につながります。
消費者庁の調査でも、過去1年で37.5パーセントの人が何らかのダークパターンを経験しており、特に多かったのが「残りわずか」「期間限定」など緊急性を強調する表示でした。
だからこそ、制作会社やWeb担当者は、成果を出す文言と、やりすぎの線を公開前に確認する必要があります。
見るべき観点は、急かす表現の真偽、総額の明示、解約導線、確認のしつこさ、選択肢の対等さです。
そして、気になる箇所は口頭で流さず、画面上にコメントとして残し、クライアントとも同じ画面を見ながら確認する。
成果を出すことと、受け手に誠実であることは、どちらか一方を捨てる話ではありません。
公開前にひと目見る手間と、その記録を残す仕組みがあれば、短期の成果と長期の信頼を両立しやすくなります。